株式会社ゼロボードは、ESG関連データの収集・管理・開示支援を行う総合クラウドソリューション「Zeroboard Sustainability Platform」を開発・提供しています。コンサルティングの提供や、ユーザーコミュニティ「All Aboard!」の運営も手掛け、企業のサステナビリティ経営を多角的に支援する企業です。同社の営業部門では、データ活用とSalesforce連携への関心が高まる一方で、組織的な課題に直面していました。Revenue Operation室の ミッションである「業務の標準化」に向けて成功パターンの可視化が急務でしたが、現場では商談記録の入力業務に多くのリソースを割かれており、正確なナレッジを組織全体で共有するための仕組み作りが追いついていない状況でした。その解決策として導入されたのが、Frictioでした。 導入の経緯とその具体的な成果について、エンタープライズ営業部長の岡村様とRevenue Operation室 室長の柴車様にお話を伺いました。Frictioの検討を始めた経緯 以前より、営業部門におけるAI活用に関心を持っており、商談記録を漏らさず残した上で、Salesforceへ自動連携できる体制を整えたいと考えていました。当時、特に課題視していたのが「情報の散逸」と、それに伴う「商談プロセスの把握の難しさ」です。日々の業務に追われる中では、商談記録はどうしても個人の記憶や手元のメモに依存せざるを得ません。その結果、Salesforceに入力される情報は主観的な記憶頼りのものになりがちで、マネジメント層を含めて部内での客観的な事実を共有・把握が難しい状態が続いていました。そのため、「主観に頼らない正しいデータ」に基づいて、営業活動を可視化する必要があると考えていました。 そんな折、前職でFrictioを利用していたインサイドセールス(IS)のリーダーから「非常に素晴らしいツールだ」と推薦を受けたことが、検討のきっかけとなりました。Frictioであれば、Salesforceへの高度な連携で「正しいデータ」を集約できるだけでなく、商談フェーズごとの成功パターンといった「暗黙知」をナレッジとして体系化し、業務の標準化もスムーズに進められると考えました。また、「Ask Frictio」で複数のミーティングに対してまとめて質問できるRAG検索機能への期待も大きく、これなら理想とするデータ活用が実現できると考え、導入を決めました。(岡村)Frictio導入前の課題について教えてください。 Salesforceへの商談記録に関しては、以前より担当者の入力負荷が大きく、改善の余地があると感じていました。商談後に記憶や手元のメモを頼りに情報を整理するため、内容はどうしても担当者の主観に依存しやすく、客観的な振り返りが困難な状況でした。(岡村) 特に、日々の業務に追われる中では、Salesforceへの入力は後回しになりがちです。その結果、商談内容がNotionやEvernote、PCのメモ帳などに散在してしまい、必要な情報がSalesforceに集約されない状態が続いていました。マネジメントサイドから「適時入力」を呼びかけ続けてはいましたが、なかなか定着しなかったという経緯があります。(岡村・柴車) もちろん、業務フローやフェーズごとの必須項目を整理するなどの対策も講じました。しかし、現場の負担感は拭えず、結局は「受注確定後に遡ってまとめて入力する」という運用になりがちでした。これでは商談の進行状況をリアルタイムに把握できず、正確なステータスが見えません。この「情報のタイムラグ」と「運用の形骸化」も、解決すべき大きなポイントでした。(柴車)導入の選定基準・決め手 導入にあたっては、インサイドセールス部門で実績のあった既存サービスとFrictioの比較検討を行いました。その中で最も重視した評価軸は、やはり「Salesforceとの連携」です。私の部署では「業務の標準化」をミッションとして掲げており、成功パターンや全体につながるポイントを可視化したいと考えていました。Frictioであれば、各商談フェーズにおける判断ポイントを明確にし、組織全体でナレッジを共有・活用できると判断しました。(柴車) また、機能面での大きな決め手となったのは「プレイブック機能」です。これを使えばナレッジの体系化がスムーズに進むと感じましたし、実際に検証してみてその汎用性の高さに驚きました。加えて、当時開発中だった「Ask Frictio」への期待も大きく、さらにデータ活用の幅が一段と広がると感じました。(柴車) マネジメントの観点では、Web会議の普及に伴い、営業活動が「閉鎖的」になりがちだった点も課題でした。個々の営業プロセスの把握が難しく、どのような商談が行われているのかが見えにくくなっていました。そのため、まずは商談の録画が自動で残るという点だけでも、導入する意義は非常に大きいと感じました。その上で、営業活動の仕組み化やメンバー育成など、活用の可能性を強く感じられたことが最終的な決定打となりました。(岡村) 導入後どのような変化がありましたか? Frictio導入後、真っ先に実感したのは、議事録作成とSalesforceへの入力に伴う業務負荷が大幅に軽減された点です。現場からは「議事録を書くストレスがなくなった」という声がすぐに上がりました。定量的に見ても、従来は1件あたり10分から20分要していた作業時間がほぼゼロになり、月40件商談を行うと仮定すれば、一人あたり月間で約800分もの時間が創出されたことになります。この生まれた時間を顧客対応に充てることで、商談数は以前と比べて約1.2倍に増加しました。さらに、前回の内容を正確かつ瞬時に振り返れるようになったため、1時間の商談を30分に短縮し、要点を絞った密度の高い議論ができるケースも増えています。商談時間が半分になれば、その分お客様とのタッチポイントを増やせますし、双方にとって負担の少ない効率的な営業活動が実現できています。(岡村) さらに、カスタマーサクセス部門においても、お客様からのご質問に対する回答がナレッジとして蓄積されつつある点も大きな成果です。これまでは属人化していた対応が、「この質問にはこう答える」というFAQのように資産化されています。これにより、お問い合わせ対応の品質が均質化され、ドメイン知識のキャッチアップやメンバー間の連携も非常にスムーズになりました。(柴車) そして何より大きいのが、働き方の変化です。以前は業務終了後や夜間に「議事録作成」や「明日の案件準備」を行うこともありましたが、そうした長時間労働がなくなり、メンバーのワークライフバランスが劇的に改善されました。また、記憶や主観に頼って「自分を守るための議事録」を書く必要がなくなり、客観的な記録に基づいて振り返りができるようになったことで、営業活動の質そのものが向上していると実感しています。(岡村)導入後、想定外の良かった点について教えてください。 Frictioを導入して驚いたのは、社内からの操作に関する問い合わせが非常に少ないという点です。それどころか、現場からは「自分たちも使いたい」という声が多く上がり、当初予定していた営業・カスタマーサクセス部門にとどまらず、社内のシンクタンク・CEO室・コンサルティング部など、予想以上のスピードで他部署への展開が進んでいます。(岡村・柴車) また、顧客への「外部共有機能」も予想以上にご好評をいただいています。トライアル中のレクチャー動画やサマリーを共有することで、お客様自身も振り返りがしやすくなり、満足度の向上につながっています。特に、定期的な担当変更が多いエンタープライズ企業様においては、引き継ぎの負担軽減に大いに役立ちます。後任の方が動画を見るだけで前提知識を持てるため、スムーズに移行できるようになったと大変喜ばれております。(岡村・柴車) さらに、想定外の活用法として「採用面接」への導入も開始しました。面接官による評価のばらつきを抑えるため、プレイブックで質問項目と合格基準を設定し、より客観的で公平な評価が可能となっています。加えて、以前は1面談あたり15分程度かかっていた記録作成の時間も大幅に短縮され、作業が効率化された点も嬉しい誤算でした。(岡村・柴車) こうしたスムーズな定着の要因には、直感的な操作性があると感じています。プレイブックの登録や過去動画の閲覧など、複雑な設定なしに誰でもすぐに使いこなせるため、現場への浸透が非常に早かったのだと考えています。(柴車)今後Frictio(SYSLEA)に期待することがあれば教えてください。 私たちは「Ask Frictio」機能には非常に大きな可能性を感じており、今後の発展に強く期待しています。この機能がさらに進化し、RAG(検索拡張生成)などの技術が深まることで、社内に眠る膨大な情報活用の幅が今以上に広がると思っています。(柴車) また、Salesforceとの連携だけでなく、Frictio上で商談の「量」と「質」を直感的に可視化できる「ダッシュボード機能」の充実にも期待しています。プレイブックによるスコアリング結果(質)や、各メンバーの商談行動量(量)がひと目で分かるようになれば、より詳細な分析が可能になります。最終的には、分析から改善のアクションまでがFrictio上で完結できるようになると、非常に嬉しいですね。(岡村・柴車) 基本機能の面では、文字起こし精度のさらなる向上についても引き続き開発を期待しています。現状でも文脈や意図は十分に汲み取れますが、ここがさらにブラッシュアップされることで、確認の手間が減り、よりスムーズな情報活用に繋がると考えています。(岡村) 最後に、SYSLEAの皆さまの日頃のサポートには大変感謝しております。引き続き、単なるツールの提供にとどまらず、中長期的な視点での効果検証における伴走支援をお願いできればと思います。(岡村)